「せかまほ」シリーズもようやく三作目。長らくお待たせしていた『世界の終わりの魔法使いIII 影の子どもたち』をお届けします。
舞台は一作目『世界の終わりの魔法使い』の直後の世界。2000光年の彼方へと旅立って行った、サン・フェアリー・アンとムギのその後が描かれ、二人の物語はこれにて完結します。
『影の子どもたち』というタイトルの通り、今回の作品には「子どもたち」が登場します。そのせいでしょうか? 今回は、前作、前々作と比べて文字通りの「難産」となりました。ずっと以前に三部作構想はできていたものの、気がつけば二作目刊行から三年以上の時間が経っていたのです。
「子どもたち」といえば、この本が刊行された少し後に、第二子が誕生する予定です。もちろん『影の子どもたち』というタイトルは、妊娠を知るずっと以前から決めていたものだし、両者には何の関係もないわけですが、おなかの違う双子みたいな気もしています。完成までに長い時間を要したのは、このタイミングを『影の子どもたち』という作品自体がじっと待っていたからかもしれません。
とはいえ、そんな恩着せがましい話も、アンや子どもたちにとっては、やはり「どうでもいいさ(“Ca ne fait rien”)」ということになるのでしょう。イギリスのSF作家アーサー・C・クラークの小説に登場する、進化を傍観するしかない孤独なカレルレンのように、どんな過去も未来も、偶然も運命も、新しい生命には手出しできるわけないのですから。
アンとムギの物語はこれで終わり。しかし、わがままな子供たちが紡いでいくであろう新しい物語は、どこかで気まぐれに生れていくのでしょうし、それはやがて本作とはまた別の三部作をなすはずです。ご愛読ありがとうございました。またいつか、どこかで。
西島大介
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